現役の某家電店販売員「しま」です。
家電量販店にて日々、販売活動に取り組んでいます。
洗濯機を購入希望のお客様の中、昨今はドラム式の洗濯機を希望されるお客様が増えてきました。
洗濯から乾燥までやってくれるドラム式洗濯機は大変便利です。
ただ、接客時に意外とお客さんが知らないドラム式洗濯機の乾燥方式の違いについて、
お話ししたいと思います。
知っておきたい乾燥方式の違いとは?
ドラム式洗濯乾燥機を発売している主なメーカーは
パナソニック、日立、東芝、シャープがありますが、
メーカーや機種によって、その乾燥方式には違いがあります。
その違いは、乾燥時に出る湿気を含んだ空気をどう処理をするのかで方式が別れます。
乾燥方式には大きく分けるとヒートポンプ乾燥方式とヒーター乾燥方式の2種類があります。
ヒートポンプ乾燥方式
ヒートポンプ乾燥方式を取り入れているのはパナソニック、東芝となります。
この乾燥方式の特徴はヒーターを使用せず、湿気を含んだ空気をヒートポンプユニットで、
熱交換を行い、乾燥させています。
解りやすく説明すると、洗濯機の中にエアコンが搭載されていると 思っていただければ、イメージが湧きやすいと思います。
乾燥時にヒーターや水を使用しない為、節電と節水効果が高く、乾燥スピードが速い。
洗濯槽内へ送り込む温風の温度が約60℃であるため衣類の傷みや縮みが少ない点です。
また、これは意外と知らない方が多いので、付け加えておきますが、
温風が60℃であるメリットは乾燥途中でも一時停止をすれば、ドアの開閉ができるので
急いで持ち出さなくてはいけない衣類も取り出しができるのが便利です。
唯一のデメリットはヒーター乾燥方式と比べると生産コストがかかるため
購入金額が高くなる点にあります。
ヒーター乾燥方式
ドラム式洗濯機でこの乾燥方式を採用しているのは日立です。
ヒーター乾燥方式には、さらに空冷除湿と水冷除湿の2種類があります。
日立が工夫している点は空冷、水冷どちらにも対応しており、
使用環境に応じて除湿方式を変更できるのです。
※初期設定では空冷除湿に設定されています。
また、「ヒートリサイクル乾燥」という運転時に発生する熱を
乾燥時に再利用しているため省エネ効果は高いです。
では次に空冷除湿、水冷除湿について解説していきます。
空冷除湿と水冷除湿の違い
空冷除湿はヒーターで温めた空気を衣類に当て、湿気を含んだ空気を熱交換器を通過させることで
水滴にして機外に排出する方式です。
メリットは冷却水を使用しないため、節水効果が高い。
デメリットは乾燥時間が長くかかることと、
湿気を含んだ空気を一部、機外や排水溝から排出するため、臭いが気になる点です。
水冷除湿は冷却水を使用して、湿気を含んだ空気を冷やし排水する方式です。
メリットはなく、ヒーターを使用するため電気代がかかり、
冷却水も使用するため水道代もかかるというデメリットの方が大きい。
空冷除湿と水冷除湿をわかりやすく説明すると、 湿気を含んだ空気を外気を使って冷やし排出するか、 冷却水を使って冷やし排水するかの違いです。
ただ、どちらの乾燥方式もヒーターを使用するため、
槽内の温度がヒートポンプ方式に比べると高くなり、
衣類へのダメージが大きくなるのが心配です。
ハイブリッド乾燥方式
ハイブリッド乾燥方式を取り入れているのはシャープです。
これは「ヒートポンプ方式」と「ヒーター方式」の両方を兼ね備えています。
ヒートポンプとサポータヒーターによる乾燥時の立ち上がりの速さで乾燥効率を上げ、
消費電力量600Whの業界トップクラスの省エネ性を実現しています。
低温風乾燥方式
この乾燥方式を搭載しているのは、パナソニックから発売されている
『キューブル』というシリーズでデザイン性に優れています。
この機種の乾燥方式はヒーター式ですが、「低温風」と言うだけあり、
室温プラス15℃の温風で乾かします。
※仮に脱衣場の温度が20℃であれば+15℃の35℃の温風で乾かします。
ですので衣類への傷みや縮みのダメージが一番少ないというのがメリットです。
ただデメリットは低温風のため、乾燥までに時間がかかる点や
乾燥運転時は湿気を含んだ空気を機外へ排出するため室内の換気が必要になります。
まとめ
それぞれのメーカーや機種による乾燥方式の違いを解説してきました。
省エネ性、節水効果、衣類へのダメージなどの総合的に判断すると、
ヒートポンプ乾燥方式が優秀です。
最近、発売されている洗濯機には洗剤を自動的に投入できたり、
温水で洗うコースもついている機種もあり、年々進化しています。
乾燥方式を含め、機能面で選んで見るのも重要なポイントです!
是非とも参考にしていただき、良いお買い物をして下さい。
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